ファンドレイザーのお仕事

ファンドレイジングについての知識と感情とあれこれ。

寄付につながる活動報告

ブログをコンスタントに書いてる人って凄いですね。

久しぶりの投稿になってしまいました。

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先日、私が以前に単発寄付をしたことがある団体から活動報告書が届きました。今回は、その活動報告書を読んで寄付者目線で感じたこと、ファンドレイザーとして感じたことを書いてみたいと思います。

 今回の活動報告書を見て感じたこと

寄付者として

団体への信頼感

寄付した直後のお礼メールだけでなく、きちんと活動を報告してくれたことで寄付がきちんと活動に使われたことが分かり、団体への信頼感が増しました。

美しい活動報告書

写真が豊富に掲載されていてページ数も多く、デザインもおそらくプロが手がけたようにかっこいい。そのことから、団体の規模が大きくて資金も潤沢なんだろうな、という印象を受けました。規模が大きかったり、資金が潤沢であることは、事業が安定していて信頼できそうというポジティブな印象を与えるいっぽうで「この団体は資金的にそんなに困ってなさそうだし、私が寄付しなくても大丈夫そうだな」という印象を持つ支援者もいるのではないか、とも思いました。このバランス設計は難しそう。

ファンドレイザーとして

活動報告のゴールは単に「報告する」ことではなく、支援者に「寄付してよかったと思ってもらう」ことです。そのためには団体が何をしたかに加えて解決した課題と残っている課題を見える形で伝えることが大切。今回の活動報告書には受益者から支援者への感謝の手紙が添えられていて、支援者のひとりとして「寄付してよかった」を感じることができました。そして解決できていない課題に対しても触れられていたので「まだまだ支援を続ける必要がある」ことも理解できました。全体として、とても良い活動報告だったと思います。

 

ただ2点だけ気になったことがありました。

挨拶文が惜しい

挨拶文が始終「自団体を支援していただき有難うございました」という内容になってしまっていたのが残念でした。寄付者は、団体に寄付をしたいわけではなく、団体への寄付を通して課題解決をしたいと思っています。そこを汲み取って文章を構成してもらえると、更に良くなるのではないかと思いました。

ネクストアクションを用意しておく

活動報告を読んで「寄付してよかった」と思った支援者に対して、次のアクションが用意されていなかったのは、もったいないと思いました。

寄付する(良い気持ち/でもちゃんと届いたかな?)→感謝される(届いた安心/でも実際に課題解決できるのかな?)→活動報告を受ける(課題解決に繋がった実感と団体への信頼/また寄付したい気持ち)のサイクルを回すことはファンドレイジングの基本です。追加寄付やマンスリー会員への誘導、イベントへの招待など何らかのオファーがあれば、次のステップに進む支援者が増えたのではないでしょうか。

まとめ

「寄付して良かった」という気持ちは次の寄付に繋がります。活動報告書をファンドレイジングの一貫として捉えてアプローチを設計しましょう。