ファンドレイザーのお仕事

ファンドレイジングについての知識と感情とあれこれ。

AFPカンファレンス参加レポート_2

AFPカンファレンスに参加した時のレポートの続きです。

今回はカンファレンスの後に参加した現地のNPO視察ツアーに参加した感想を書きたいと思います。

前回の投稿はこちら↓

fundraising.hatenablog.jp

ニューオリンズNPO事情

街の8割が水没し、1800人もの人が亡くなったと言われる2005年のハリケーンカトリーナ被害のあと、ニューオリンズでは行政・企業・NPO・住民が力を合わせて様々な復興のための活動が行われてきました。ニューオリンズの1000以上あるNPOのうち、半数以上はハリケーンの後に生まれたそうです。今回私は日本ファンドレイジング協会の鵜尾さんに案内していただき、現地のNPOを5つ訪問してきました。

Castle Haley Boulevardと呼ばれる通りには、NPOの拠点が多く集まっています。このあたりは以前は比較的治安があまり良くないエリアで、借り手のいない空き家が多かったそうですが、立ち上がったばかりのNPOが家賃の負担が軽いこのエリアに拠点を構えるようになったそうで、狭いエリアに数多くのNPOが集まっています。

 

視察したNPO

今回視察したNPOは以下の5つです。

①The Idea Village(https://ideavillage.org/) 
②Cafe Reconcile(https://www.cafereconcile.org/
③Ashe Cultural Arts Center(https://www.ashecac.org/
④Bike Easy(http://bikeeasy.org/
⑤Youth Empowerment Project(http://youthempowermentproject.org/

 

 

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ファンドレイザーの立ち位置

5つのNPOを回って感じたことは、どのNPOにもプロフェッショナルなファンドレイザーがいるということ。

The Idea Villageのファンドレイザーの方は、他の団体で働いていたところ、今の代表の方の目に留まりスカウトされて移籍したそうです。

Cafe Reconcileのファンドレイザーの方は、団体の成り立ちや現在の事業の仕組み、資金調達について丁寧に説明してくださり、経営するレストランでは積極的に利用者に話しかけるなど、移籍してきて間もないとは思えないプロフェッショナルな仕事ぶりを見せてくださいました。

Bike Easyでは代表者(兼ファンドレイザー)が交替して3年で有給スタッフが3人から7人になったそうです。

ファンドレイザーが変わることで、団体の成長スピードや事業の規模が大きく変わるのであれば、カンファレンスのマーケットプレイス非営利団体の事務局長やファンドレイザーを専門にしたヘッドハンティングの会社が出展していたのも納得できます。

まとめ

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約1週間のアメリカ訪問でしたが、ファンドレイジング、ファンドレイザーという言葉がまだまだ認知されていない日本と比べると、アメリカのファンドレイジングの規模や専門性の高さ、周辺サービスの充実度には驚くばかりでした。大きな団体になるとファンドレイザーも大勢所属していて、「マンスリー制度の設計担当」とか「遺贈寄付担当」「ドナーリレーションシップ担当」など担当が細分化され、それぞれ関連書籍や専門家ネットワークがあって、ファンドレイザーという存在が職業ではなく業種なんだと感じました。

今回のニューオリンズ滞在中に得られた学びを自分の中で咀嚼して吸収し、少しでもファンドレイザーとしての自身の成長に繋げ、今後関わる団体やセブでの活動に役立てていきたいと思います。