メタファシリテーション入門セミナーに行ってきました
3月に申し込んだムラノミライのメタファシリテーション入門セミナーに行ってきました。私はファンドレイジングを学び始めて1年なので知らなかったのですが、業界ではかなり有名なセミナーのようです。
メタファシリテーションとは
途上国の人と会話する際に使われるだけでなく、最近では子育てサークルや民間企業でも導入され始めているコミュニケーション手法で、相手に対して「事実」を質問することを通して、質問された人が自分で「課題」と課題に対する「解決法」を「気づく」ことができると言うもの。
詳しくはムラノミライさんのHPを参照して欲しいのですが、メタファシリテーションは、コーチングと違ってノンバーバル(表情や語尾など発言内容以外に相手が発するシグナル)を感じたり、「なるほど。そう感じたんですね。」と相手の感情に共感することより、過去に起こった事実を質問することにフォーカスします。
過去に起こった事実なので、質問された側は考えをまとめたりする手間がかからず簡単に答えられます。ポンポンと質問に答えているうちに、意識していなかった本当の課題や自分でも忘れていた過去の成功体験や活用できるリソースに気づいていくという魔法のような手法なので、最初は半信半疑でしたが、セミナーを受講して納得感が得られました。
↓↓ ムラノミライHP ↓↓
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基本は簡単でも実践は難しい
セミナーでは実際に3人組でワークを行ったのですが、頭では分かっていても実践してみるととても難しい!というのが感想です。
WhyやHowという言葉は相手の意見や主観を聞くことになってしまうので、WhatやWhen,Whereを使って質問をするのが基本なのですが、これが厄介で、私たちは普段から何気なく「どうしてですか?」とか「どんな感じですか?」のような”ふわっとした”質問をし慣れているので、シンプルに事実を聞くということがすごく難しいのです。
講義であった質問を例にとると、講師の方がリラックマのキーホルダーを鞄に付けていたのに対し、「リラックマが好きなんですか?」は相手の好みを聞いていて事実質問ではないのでNG。もしリラックマが好きかどうかを聞きたいのであれば、「他にもリラックマのグッズを持っていますか?」とか「そのキーホルダーは自分で買ったのですか?それとも他の方から貰ったのですか?」と聞くのが正解だそうです。
確かに、相手がリラックマが好きだったとしても「リラックマが好きなんですか?」では「リラックマ(なんて子どもっぽいもの)が好きなんですか?」とバカにされていると取られるかもしれないし、逆にそんなに好きじゃなくても質問者がリラックマが好きで質問しているのだと思って、「(そんなに好きってわけじゃないけど)ええ、まぁ好きですかね〜」と無理に答えてしまうかもしれない。
世間話としてならリラックマが好きでも嫌いでも大きな問題にはなりませんが、これが途上国支援の場だったりすると重大です。現地の人が支援する側の意向を忖度して本音ではない事を答えてしまうのですから。
メタファシリテーションをさらに学びたい
メタファシリテーションのスキルをアップするために、スタッフに事実質問をしてみたり、主人との会話でも使ってみたりしていますが、会話が途切れたり変な空気になったりして難しさを実感する毎日です。
6月末にセブ島で貧困の子どもの支援を行なっているNPO・NGOのヒアリングに行きます。あと2ヶ月弱しかありませんが、その時のためにもメタファシリテーションをもっと学び、少しでも身につけたいと思っています。
セミナーで購入したPKPMという本は、メタファシリテーションの本ではありませんが、メタファシリテーションの父(?)である和田さんが途中から登場していて、途上国支援の変化が物語として理解できました。
今回のセミナーは入門編なので、今後はさらに深く学ぶ機会を作っていきたいと思います。