寄付と行動経済学
今日は日本財団で開かれたセミナーに行ってきました。
仕事柄もともと行動経済学には興味があって、何冊か本を読んだことはあったのだけど、「寄付」という行為にも関係があるんだなぁ...と。
今日の学びを忘れないうちにメモメモ。
1)人が寄付するのは、それに釣り合うだけの満足があるから。
2)寄付の理由はひとそれぞれだけど、大きく分けると4つ。
- 純粋な利他性(相手の幸せが自分の幸せ=共感)
- 暖かな光(寄付する行為が自分の幸せ=誇り)
- 互恵性(お返しを期待して寄付する=取引)
- 同調性(みんなが寄付してるから=追随)
3)寄付をしない要因(割が合わないように思ってしまう理由)
- 時間割引・・・寄付するタイミングと成果が出るタイミングのズレ
- 社会割引・・・知らない人、遠くの人へは身近な人ほど利他的になれない
4)ファンドレイジングの効果を正しく検証する。
できるだけ同条件の複数群に同時にテストするのがコツ。
興味深かったのは、
純粋な利他性によって寄付する人は、他の人が充分に寄付していると感じると、自分の出る幕はないと思って寄付しないということ。
互恵性によって寄付する場合、お返しが寄付額のアンカーになってしまい、お返しがない場合より寄付単価が下がる傾向があること。
同調性による寄付は、呼び水になるシードマネーによって結果が変わるということ。
日本では利他性に訴えるファンドレイジングがほとんどだが、寄付先進国では行動経済学に基づいてファンドレイジングが行われているとのこと。寄付だけでなく政府の政策を作るのにも行動経済学が応用されているそうなので、今後は日本でも行動経済学が盛んになっていくのは確実。
久しぶりに本を読み直してみようと思う。