ファンドレイザーのお仕事

ファンドレイジングについての知識と感情とあれこれ。

ファンドレイジングの「アリ」と「ナシ」

ファンドレイジングを勉強し始めてまだ1年足らず。

なので正直わからないコトばかりです。

 

例を挙げると、貧困問題に取り組むNPOが「こんなに可哀想な不幸な子がいるんですよ!放っておいていいの?助けてあげたいでしょ?」という写真やエピソードで注目を集める手法。同情でもなんでも結果として寄付が集まって事業が前に進んで貧困問題の解決につながるのであれば、ファンドレイジング的には「アリ」なのかな、とも思うんです。でも、こういうプロモーションって、何度も行っているうちに効果を上げるために"より可哀想に見せる"という事が重視されてしまったりしないのでしょうか。結果として「問題の解決」に対して寄付が集まるんじゃなくて、「問題の深刻さ」がお金を生む仕組みができてしまう恐れはないのでしょうか。

 

それって長期的に見たら「ナシ」じゃないかと思うのです。

 

それに、実際は貧困と言われる子どもたちだって不幸とは限らない。私が年に1度訪れるフィリピンのセブ島の中心部にはストリートチルドレンがたくさんいます。お金がないため学校に行けず、お腹を減らし、猛暑の路上で物売りをしていたりします。その姿だけを写真で切り取れば、簡単に「可哀想」なコンテンツが出来上がります。

 

でもね、彼らはたくさん笑っているんです。もちろんお腹空いてるから食べ物があったら嬉しいし、お金に余裕があって学校に行けたり新しい洋服が着られたら喜びます。ただ、それらが無くても、家族と一緒に暮らして、働くことで家族の役に立てて、似たような境遇の友達がいて、少ないけれど食べるものがあり、それを分け合い、歌を歌い、踊り、笑っているんです。彼らを勝手に「可哀想な子」と決めつけ、アイコンとして使用することで、彼らの自尊心を傷つけてしまうことになったら、本末転倒です。

 

「そんな事は重々承知の上で、こういう見せ方をしているんだ」

先輩ファンドレイザーの方に言わせれば、そうなのかもしれません。

でも、でも、もっと他のやり方はないのかと思ってしまうのです。

引き続き勉強していきます。