ファンドレイザーのお仕事

ファンドレイジングについての知識と感情とあれこれ。

共感してなくても寄付する人はいる

ファンドレイジングでは、寄付=社会課題を解決するための投資という言い方をします。しかし、寄付する人が必ずしもその団体が目指している社会課題の解決に強い関心があるかといえば、そうでもない場合もあります。

 

例えば、普段は関心がないけれどテレビで環境問題の番組を見た翌日、たまたまコンビニで環境保護の募金箱が目に入ったから...という場合もあるでしょうし、友人に頼まれて付き合いで寄付することもあります。

何が言いたいのかというと、NPOがファンドレイジングをする場合、必ずしも自分たちと同じ問題意識を持っている人だけが寄付者になるわけではない、ということです。

 

もちろん共感した人から寄付をしてもらうというのは王道ではあるのですが、社会課題やその解決方法にあまり関心がなくても、「あなたのことを信用しているから」という理由で寄付をしてくれる人もいますし、「面白そう」「良いことをしたい気分だから」「寄付すると何かもらえるから」という理由で寄付をする人もいます。「寄付した人たちのグループに入りたいから」というのも寄付の理由になるでしょう。

 

そういった多様なニーズを汲み取って、「共感」以外のアプローチを用意しておくことが、以外と大切だったりします。

 

少し前に話題になったWITH STAMPが良い例です。

これは野生動物の保全活動のための寄付つき商品ですが、購入者(寄付者)が野生動物の保全活動に強い関心があるかといえば、ほとんどの人はそうではなかったと思います。

 

with-stamp.jp

「面白そう」「話のネタになる」「SNSでさりげなく寄付したことをアピールできる」という「自分のための理由」と、「売り上げの一部が寄付になる」という「誰かのための理由」が合致したことがヒットの理由でしょう。

ファンドレイジングの用語では、「共感・実利感・仲間感」という言葉があります。

寄付者に対して、共感だけでなく実利感や仲間感を提供することができないか、次のミーティングで話し合ってみてはいかがでしょうか。