ネガティブ・ケイパビリティ
「ネガティブ・ケイパビリティ」
容易に答えの出ない事態を受け入れる能力、性急に結論を出さずに宙ぶらりんな状態に耐える能力。
何か問題や課題を発見したら、原因を解明して素早く解決することが良い事だと、私たちは考えがちです。それを「ポジティブ・ケイパビリティ」と呼ぶそうです。一方で、解決しようとせず、もやもやした状態をそのまま受け入れるのが、ネガティブ・ケイパビリティ。他者への理解や共感にはネガティブ・ケイパビリティが重要と言われています。
たとえば不登校の子どもに対して、親が勝手に進路や将来を心配して学校に行かせようとしたり、いじめや教師に問題があるのではないかと犯人探しをしたり、自身の子育てに問題があったのではないかと自己嫌悪に陥ったりすることってありますよね。少なくとも過去の私がそうでした...(笑)。
でも、これは学校に行かない事を親が「問題」だと勝手に設定して「解決」しようとしてるだけなんですよね。
もしかしたら学校に行く事が子どもにとっては「問題」で、学校に行かない事が「解決策」だったかもしれません。学校に行かない事が良い事なのか悪い事なのか、本当の事は分からないんです。何が正解かは分からない。
で、我が家の場合、その分からない状態を私と夫が「ただ受け入れる」という事ができたときに、子どもは「親に理解してもらえた」と感じる事ができたようです。今思えば、子どもから「なんとかして欲しい」なんて言われた事は無かったんですよね。
個人的な話になりましたが、相手の課題を勝手に設定してお仕着せの支援をしてしまわないよう、NPOの事業やボランティアを行う上でもネガティブ・ケイパビリティを意識する事は大切なんじゃないかと思います。
ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)
- 作者: 帚木蓬生
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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