ファンドレイザーのお仕事

ファンドレイジングについての知識と感情とあれこれ。

最近クラウドファンディング関連で感じたこと

f:id:go-kyoko:20201006124041j:plain

 

先日、Facebookライブを活用して1,000万円のクラウドファンディングを成功させたというお話を、知り合いのファンドレイザーから聞きました。

 

コロナの自粛中、私も別のクラウドファンディングで(こちらはYoutubeでしたが)プロジェクトに対する思いや活動内容についての対談を配信しているのを見ました。実際に話を聞くことで、プロジェクトにかける思いがリアルに伝わってきたので、その場で支援させていただきました。

 

これからのクラウドファンディングは動画配信が定番になっていくのでしょうね。

 

別の話ですが、地方公共団体によるクラウドファンディングの寄附金が、別の用途に流用されていたことが問題になっています。用途が指定された寄附金を別の用途に使用することは、寄付者に対する裏切りですし、ファンドレイジングの行動規範にも反します。

 

こういう事が続かないようにするには、寄付者が寄附金の用途や活動の成果に関心を持つことや、自治体によるクラウドファンディングには資格のあるファンドレイザーが伴走するなどが必要になるのかもしれません。

NPOと地元企業の仲人

先日、新座市のとある建築関係の会社を経営する社長さんを、以前から交流のある子ども食堂志木のまいにちこども食堂さん)にご紹介しました。

この社長さんは以前にポスターを見かけたのがきっかけで子ども食堂という仕組に興味を持ち、子ども食堂をテーマにした映画を観に行ったことがあるそうです。それまでも国際NGOなどへ寄付をされていたとのことでしたので、今後は小規模なNPOへの支援も検討されてみては?とご提案したのが今回の訪問に繋がりました。

結果として単発の寄付だけでなく今後は本業を通して何らかの支援ができないか検討する、というお話もいただけました。そして後日、寄付をされた社長さんからも以下のような嬉しいメッセージをいただきました。

「先日は素敵な方とご縁を持つことができ、ありがとうございました。志が高い人はやはり素敵ですね。エネルギーを分けてもらった気がします。自分の夢、野望を達成させる為にはあのような方と接することが良い刺激となると信じます。こども食堂に少しはお役に立てる企業として今後も会社を守り続けたいと思います。」

今回子ども食堂に寄付をされた社長さんは「感銘を受けて寄付しただけ。売名行為と受け取られたら嫌なので、会社名は伏せてほしい」という事なので伏せていますが、このような縁を繋ぐことができてファンドレイザー冥利に尽きる思いです。

ここからは私個人の意見ですが、中小企業が寄付をする場合は、地元の小規模なNPOに寄付することをオススメします。もちろんNPOの理念に共感できる、というのが大前提ですが。地元の小さなNPOは大規模なNGO/NPOに比べ、寄附金控除や信用力という面では弱いかもしれませんが、寄付の使途や効果が目に見えて実感しやすいうえに会社の施設を貸与したり従業員がボランティアに行くなど金銭以外の支援もしやすいからです。理事長に直接会える、話ができる、というのもメリットです。

地元企業と地元のNPOをつなぐ活動は今後もっとやっていきたいと思っています。たとえば小規模なNPO向けに無料のファンドレイジング講座を開いたり、地元企業むけにCSRの勉強会ができたらと考えています。

新型コロナの影響で、民間企業もNPOも個人も大きな痛みを感じている時期です。弊社も売上は例年の半分以下になりました。2020年は試練の年になりそうです。こういう大変な時期に周囲の人を思いやれるかどうか、人の優しさや力を信じられるかどうか、自分自身が試されている気がしています。地元企業のみなさん、NPOのみなさん、一緒に乗り越えましょう。

スタディ・ツアーに対する私見

ご無沙汰しています。

 

以前に書いたかもしれませんが、私は毎年フィリピンのセブ島を訪れています。今年も6月に2週間ほど滞在する予定です。

 

今回の滞在では、子どもの貧困界隈から離れ、あまり日本では知られていない現地の人による地域密着の社会貢献活動について調査してきたいと考えています。

 

自分でも探していますが、去年セブで知り合った語学学校の先生がお友達(役所勤め)に、団体を紹介してもらえるよう頼んでくれているので、6月までに訪問先を見つけたいです。

 

非営利団体といっても活動内容はさまざまですが、セブ島で活動している日系のNPO/NGOは、そのほとんどが「子どもの貧困」または「子どもの就学支援」に取り組んでいるように思います。もちろん、そこから派生して親の自立支援(就労支援)や人権問題に活動を広げている団体もありますが、基本は貧困問題。そして、その多くの団体で行われているのが「有料のスタディ・ツアー」です。

 

私は個人的にこのスタディ・ツアーに対して良い印象を持っていません。

 

非営利団体が自分たちの活動を広報したり支援者を募ることはとても重要な仕事の一つなのは当然ですが、このスタディ・ツアーに関してはいくつか課題があると思っています。今回は私が考えるスタディ・ツアーの問題点について書かせていただきます。

スタディ・ツアーの問題点1

1つ目は「子どもに負担を強いる」可能性がある点。日本から支援者(潜在的支援者を含む)が訪問してくるとなれば、彼らはゲストに気に入られようとかゲストを喜ばせようとしてダンスやゲームをしたり、歌を歌ったりします。スラム訪問ツアーでは、初対面の外国人がぞろぞろと子どもたちの生活圏を訪れることになります。ツアー参加者にとっては、スラムの街を歩いたり家を見せてもらったり、子どもたちと遊んだり食事を配ったりと興味深い体験ができるかもしれませんが、子どもたちにとっては自分たちが貧しく、支援される側であることを突きつけられる経験になっているのではないでしょうか。

スタディ・ツアーの問題点2

2つ目はスタディ・ツアーが参加者のレジャーとして消費されている側面があるからです。スタディ・ツアーでスラムの子どもたちと一緒に遊ぶ、一緒に写真を撮る、そのこと自体がSNSのネタになったり、就活の面接で披露する社会貢献体験として消費されていて、NPONGOが行っている活動への共感や地域社会や子どもたちが抱える課題に対する理解に結びつけられていない場合が多いように思います。募集要項の中に「就活に役立つ」などとあからさまに記載しているツアーもあります。

スタディ・ツアーの問題点3

3つ目はスタディ・ツアーによってNPO/NGOの活動が不安定になることです。スタディ・ツアーの参加者は日本人なので、当然ツアーは日本の大型連休に集中します。団体にとっては大きな事業収入の機会となるため、普段行っている支援活動の人員をスタディ・ツアーのアテンドに回したり、窓口となっている旅行代理店との交渉や報告書の作成に充てることになります。日本の連休や旅行代理店の都合で団体のリソースが奪われてしまい、安定した事業活動の妨げになっている場合があります。「旅行代理店の下請けになれば儲かるけど、そんな事はやりたくない」とおっしゃっていた団体の方がいました。

 

まとめ

スタディ・ツアーという名前以外にも「ボランティア体験」や「インターンシップ」といった名前で、子どもたちとの関わりを事業収入の柱にしている団体はあります。しかし信頼関係が構築できていない異国の大人と接触する子どもたちのストレスに対して、私たちはもう少し配慮すべきではないでしょうか。子どもたちは見せ物ではありませんし、先進国の若者の自分探しの道具でもありません。そして団体側は、自分たちの活動に誇りを持ち、子どもたちの明るさや笑顔を利用しないファンドレイジングを模索して欲しいし、私自身もそれができるファンドレイザーになりたいと思います。

 

 

<お断り>

 

私はすべての団体について詳しく知っている訳ではありませんので、スタディ・ツアーを開催しているすべての団体が配慮に欠けていると言っている訳ではありません。私自身もセブ島貧困層の男の子の就学支援(里親)を7年前からしており、この制度の良さと危険性のバランスに葛藤しています。あくまで私がセブ島で見聞きしたこととスタディ・ツアーに参加した方の感想、そしてセブでお話を聞かせていただいたNGO/NPOの職員の方のお話を踏まえた私見です。

 

 

余談

実はセブにも(日系ではありませんが)「子どもたちの心の安定と職員との信頼関係が一番重要」とのポリシーから、ボランティア体験やスタディ・ツアー、見学などを受け付けず、あくまで金銭的な支援だけを募って活動している団体があります。ドナーをお客さん扱いしない点が潔く、宣言を読んでめちゃめちゃ感動しました。視察などは受け付けていないので、FBページやメールマガジンを通して勉強させてもらってます。

ヘア・ドネーション

f:id:go-kyoko:20191009152653p:plain

 6月にフィリピンに留学した時、講師の先生がヘア・ドネーションのために髪を伸ばしているという話を聞いた。彼女は語学学校で講師の仕事をしながら自分の大学院の学費を稼ぐ、いわゆる苦学生。過去にも1度ヘア・ドネーションをしたことがあると言い、髪が長かった頃の写真を見せてくれた。「たくさん寄付するほどお金に余裕はないけど、髪の毛ならタダだからね」と笑いながら話す彼女の話に心を打たれた。

髪の毛を寄付することができる、というのは知識としては知っていたものの、身近に寄付したことがある人もいないし、なんとなく怪しいイメージ(寄付された髪の毛をウィッグにしてプレゼントするのではなく販売して利益を稼ぐ団体があるという話を聞いたことがある)があって、あまり関心を持ってこなかったのだけど、ちゃんと調べてみると、日本にもしっかり活動している団体があるのを知った。

 

ヘア・ドネーションとは

癌や無毛症などが原因で髪を失った子に、人毛で作られた医療用ウィッグを寄付するために髪の毛を寄付する活動。

 

日本のヘア・ドネーション団体 (一部)

https://hairdonation.hero.or.jp/

https://hairforchildren.wixsite.com/hairforchildren

 

個人的に応援したいと思っているのは群馬県の女子高生ヘアドネーション同好会さん。Soarさんのインタビュー記事を読んで、めっちゃ応援したい!って思いました。

もしヘア・ドネーションに関心がある方は、問い合わせてみてください。 

 

https://soar-world.com/2019/10/02/hairforchildren/

 

スマホに依存してる自分に気づいた

f:id:go-kyoko:20191007124920j:plain

犬の散歩をしていたら、片手に持っていたiPhoneを地面に落としてしまった。

「あ、画面割れちゃったかな?」

と心配しながら拾い上げると、画面に青い線がバーーーッと入っていて、慌てて再起動したら画面が真っ暗なままになってしまった。もう何も映らない。

 

ちょうど買ってから2年が経ったところで、機種変更しようと思っていたところだったので新しいのを契約するのは全く問題なかったのだけど、つい1週間前にしたバックアップのパスワードを忘れてしまっていたので、復旧ができない。

 

1日中スマホが手放せないSNS中毒の若者じゃあるまいし、私はそんなにスマホ依存していないと思っていたけれど、これまで使っていたiPhoneにはSuicaやApplePayのクレジットカード系も登録してあるし、Lineの連絡先なども無くなってしまうと困る。アプリで登録したお気に入りのレシピも見れなくなってしまう...そう考えると、自分が思っていたよりスマホに頼る生活をしていたんだと気づく。

 

今はなんとか壊れたiPhoneからデータを保存し直せないか試行錯誤しているところ。

もう少し粘ってダメだったら、諦めます。

寄付につながる活動報告

ブログをコンスタントに書いてる人って凄いですね。

久しぶりの投稿になってしまいました。

f:id:go-kyoko:20190902184312p:plain

 

先日、私が以前に単発寄付をしたことがある団体から活動報告書が届きました。今回は、その活動報告書を読んで寄付者目線で感じたこと、ファンドレイザーとして感じたことを書いてみたいと思います。

続きを読む

イベント報告書を見て思ったこと

2月にイベントのお手伝いをさせていただいた入間東部シルバー人材センター様から、イベントの報告書を見せていただきました。

 

当日は朝から会場にいたので盛況だったのは分かっていましたが、1日の来場者なんと1500人以上!あらためて大勢の方にシルバーの活動を知っていただくことができたこと嬉しく思いました。

 

シルバー人材センターは、市内の60歳以上の会員に地元の仕事を紹介する組織と思われています。もちろん、それは間違いではないのですが、これから先に求められてくるのは受益者を会員と設定した互助的な役割だけでなく、会員の持つ知識や経験、そして能力を地域課題の解決のために活かす場を提供するという役割です。

 

今回のイベントの一角で、裁縫が得意な会員さんが入園時に必要な上履き入れやバッグ、子ども用マスク(ガーゼ)を手作りして販売されていました。私は子ども3人を保育園に通わせていた時、裁縫が苦手だったので仕事から帰った後、夜中に登園用のグッズを作るのには苦労した経験があります。もちろん今の時代はネットでも購入することもできます。ただ他の子が手作りのバッグを持ってくるのに、我が家だけ買って済ませるのは、子どもに対して罪悪感みたいなものを感じてしまいそうで、徹夜して作ってました。

もし当時の私が今回のイベントに来ていて、親世代(祖母くらい?)の会員さんに「お母さん、毎日子育てお疲れ様。お子さんが私の作ったバッグで登園してくれたら嬉しいわ。」なんて言ってもらえていたら、罪悪感も持たずに買えただろうなー、と思います。そして子育てはもっと周囲の人に助けてもらいながらでもいいんだな、と思えたんじゃないかと思います。

 

シルバー人材センターが「会員のため」「仕事を発注してくれる企業のため」から一歩進んで、「地域の課題解決や振興のため」に活動できるように、これからもお手伝いしていきたいです。

f:id:go-kyoko:20190412110035j:plain